雑記Rogue

書くたび言うことが変わる不思議ダンジョン

議論の周回遅れによる対立は、AI(とか)で解決してくれたりするんじゃないか問題

昔、あるグループの中に「物知り」と言われている人がいた。その人は色々な豆知識を披露してくれていたのだけど、ある時「ジーンズのEDWINは、"江戸が勝つ"から付けられたんだ」という話をしていた。

僕はたまたまそれについて聞いたことがあったので、「そういう話もあるようですけど、本当は素材のデニム(DENIM)の文字の入れ替えとかで付けられたらしいですよ」と言った。するとその人は「そんな話は聞いたことがない」とムッとし、周りにいた人もやっぱりXXさんは物知りだなーって話で終わった。

のちにふとWikipediawを見たら、 "「江戸」が「勝つ」(WIN)という説は俗説」" と書かれていた。

 

 

最近、TV番組での演出やある人の告白が、差別表現なのかどうかとかで議論になったりするのをよく目にする。それぞれの考えや主張がtwitterやブログで飛び交っているのだけど、そのやりとりを眺めている時に "周回遅れ問題" を感じることがある。

 

ある問題をきっかけにして議論が起こったとき、なんやかんやいろんな方面からの意見が出る。さんざん話をした挙句、実は間違った情報を元にしていたとか、そこから話が展開して別のレイヤーの話に移って行ったりとかして、なんらかの決着を迎える。

このような一連の経過をたどった人は、最初の問題に対する発言を別のタイミングで聞くと、「その話はもう決着しただろ!」と思う。逆に初めてその問題に触れた人からすると、「そんなことがあったとか知らんし!」と思うのは当たり前。こうしたいきなりの対立モードのために、ただただ無意味に煙が立ち上り続ける。

 

単に自分が注目しだしたからっていうだけの話かもしれないけれど、こういう前提知識のズレによる対立構造を最近よく感じるのだ。

 

もちろん昔から周回遅れの議論なんてものはあった。しかし、同じことに着目している人が出会って議論が深めやすいネットの仕組みができたことによって、モノによっては何周もズレる事態が生まれやすくなっているように思うのだ。

"有名人の発言" というイベントが起きると、普段はなかなか出会わない人同士がいろんなワードをたどって参入して入り乱れ、このズレによる場外乱闘が起きてしまう。

 

 

このような ”周回遅れによって生じる対立" をなくすためには、その場にいる人の前提知識を揃えるしかない。前提が揃った上で意見が交わせたら、議論が先に進むことができる。

こういう場面で「以前こういうことがあって、その結果こういう話になって〜」と説明してくれる人が現れることもあるけれど、いつでも誰かの優しさに期待するのは難しい。多くの人に届けるという意味ではマスメディアがその役割を担うのが良さそうだけど、今のマネタイズ方法で進む限りこれも難しそうだ。

 

そこで僕は期待と楽観を込めて、AIやらOSSやら的な何かが登場してくれたら・・・と思っている。記事やらツイートやらを見てる時に、前提知識になりそうなものを集めてきて提示してくれたりするっていう仕組み。

自分の知識に合わせたわかりやすい言葉で説明したり、マンガ形式で吹き出しに入れてくれたりしたらとても嬉しい。口調や見かけのカスタマイズがしやすければ、その方面で稼ぎたい人にも場が提供されたり!?

 

 

そういえば、最初の "EDWINの由来" について改めてググったら、こういう記事を見つけた。

js.cotoz.info

自分が何周目にいるのかなんて、誰にもわからない。

 

 

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)